データ解析をする上での3つのポイント

この記事の対象読者:データ分析に係わる方(初心者~中級者)
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ここではサイトの特徴を把握するための、データ解析(アクセス解析)をする上での3つのポイントについて考えてみたい。データ解析にあたり最初にすることは『何のために解析をするのか』というデータを分析するにあたっての心構え、事前の目的設計だ。そしてこの解析目的を果たすためには、どのデータをどのように見る必要があるのか、評価はどのようにするのか、という手順で解析設計をしていく。ここからの考察は、データ解析にあたり重要な、これら事前の解析設計が出来ている前提で記述する。

マクロ視点での分析例

ポイント①大きな視点から小さな視点という順番

データ解析をしようと考えた時の最初のコツとして、大きな視点であるマクロから小さな視点であるミクロに向かって情報を見ていくというポイントがある。

あなたも知らない街で目的地を探す時に、まずは縮尺の大きな地図で大まかな方角を把握することから始めるだろう。そして次に縮尺を小さくしていき、細かい道路の1本1本を把握し、自分の進むべき方向を探すのではないだろうか。

データ解析も同様だ。

いきなり1アクセスごとの細かいデータログから見ても、なにがなんだか分からないハズだ。しかし現実には、Google Analyticsの管理画面を開いて、いきなりリスティング広告での、とあるひとつのキーワードがもたらす成果の数(CV数)をいきなりチェックする、といった具合に最初から細かい視点で見てしまい、何を見たかったのか分からなくなってしまうことがある。

そんな時は、大きな部分からおおざっぱな傾向を掴み、細かい部分に絞り込んで見ていく、そんな視点を常に意識するようにしている。(上記の例で言えばまずはキャンペーン単位でデータを見て、広告グループ、キーワードと絞り込んでいくということだ。そしてキーワード単位をさらに時間帯別、地域別とさらに絞ることもあるが詳細はまたの機会に。)

いきなりミクロな視点で細かなデータから見たところで、何も発見できないし次にもつながらない。まずはサイト全体のアクセス数など大きな視点で状態を掴み、その上で例えばリスティング広告だけのアクセス数を把握する。そして次のステップとしてキャンペーンごとに把握した上で、広告グループ、キーワードごとのCV数を見ていくといった具合でドリルダウンしていこう。

ここに、10件の成果獲得に貢献したリスティング広告の出稿キーワードがあるとする。

最初からミクロな視点でこのキーワードだけを見て、このキーワードが10件の成果に貢献していると分かったところで、次の施策にはつながらないだろう。データ解析は施策につながってこそ価値があるものだ。まずは大きな視点から分析をはじめ、全体で50件のCVが獲得できているのか、それとも500件のCVが獲得できているのかを把握することからはじめよう。仮に、全体としては50件の成果が出ていたとする。合計50件の成果の内訳としての10件の成果獲得に貢献しているキーワードであると分かったのであれば、次の施策につながる活きた情報になりうる。

10件の成果獲得に貢献したリスティング広告の出稿キーワードである、という事実は同じでも、その事実をつかむまでの前後の文脈が必要なのだ。そしてこの文脈を把握するために重要なのが大きな視点から特徴を把握し、小さな視点に絞り込んでいくという考え方である。

50件のうちの10件という場合であれば、全体の成果獲得の2割をもたらす主要キーワードとして位置付け、入札単価調整や広告文のテスト、複合キーワード拡充などさらなる最適化を進めることになるだろう。一方で、500件のうちの10件という場合であれば、ひとまず静観し、他にもっと影響が強そうな部分を探すことになるかもしれない。

全体がわからないまま、いきなり小さな視点でみると判断を誤る可能性が高くなる。そこでまずは大きな視点で全体をザックリと把握し、その上で細かな部分を1個1個追いかける、この順番を忘れないようにしていこう。

ポイント②過去データと比較してチェック

2つ目の視点として、ある期間のデータを見る時に、同じスパンの過去データと比較するという視点を紹介する。

例えば、今週1週間で成果が30件獲得できたとしよう。この時に、先週は何件の成果が獲得できたのか、もっと前の先月の同じ週は?ではでは昨年の同時期は?こんな時期を対比する視点である。

『今週は30件の成果が獲得できた』この事実だけだと、この事実が良いのか悪いのかと意味付けができない。ここで過去の同期間と比較してデータを対比することにより、今週の獲得件数30件が良いのか悪いのか、もしくは変わらないのかが判断できる。このようにして過去のデータと比較し、過去よりも良いのであれば何が良い結果をもたらしたのか掘り下げることができるし、悪ければ悪い結果で、何が原因となっているのかを考えるように思考が向かう。

あるデータを局所的に見ては良いか悪いか判断できない結果でも、過去と対比すれば良いか悪いかが浮かび上がる。そして結果(データ)が良いのか悪いのかが分かれば、その結果を導いた理由や原因を探る思考が働く。

ウェブ上の1週間のログデータは、過去の同じスパンである、先週、先々週、先月、昨年などと比較してはじめて意味がある。そして良い悪いは別として、結果をもたらした原因の一部でも推定できれば、その対策もおのずと浮かぶ。このようにして対策や施策ができてこそ、データ解析をした価値があるのだ。

1月末になり1月全体での売上高を集計したら、1月の売上高はかなり落ち込んでいたとしよう。あなたは、どうしてだろうと気になって、ひと月前である12月のデータを確認する。しかし12月の売上高は問題ない。この時点でまずは1月に入り急に売上高が悪くなったと絞り込むことができる。

さらに昨年の1月末データを見たら、今年と同様な傾向として1月になってから売上高が下がっているという事実が確認できたとする。このようにして比較することにより、1月全体の売上高の低下は、今年に限ったことではなく毎年の季節変動かもしれないと推定することができる。では1月の売上高の低下をもたらす要因は何なのかと考えることになり、取りうる対策が見つかるのだ。

過去の同じ期間のデータと比較をする、とても大切な視点である。

なお、季節変動をもたらす場合には、以下の要因を意識いただければ漏れがないと思われる。

◎商品性:暑い・寒いといった気候に関連するものや、時期的に必要な商材(キャンプ用品やスキー用品など)は季節変動が起きる。
◎消費者の行動の変化:ボーナス時期や帰省シーズンなど消費者の行動変化があるときには季節変動が起きる。

また先月や先週といった比較的みじかい期間での変動は、いままでいなかったライバルの出現であったり、SEOで狙っていた大きな集客キーワードでの順位低下による集客力減衰などによることが多い。ご参考まで。

ポイント③データは点でなく線でチェック

最後のポイントとして、データを見る時には、その刹那刹那で切り抜いて見るのではなく、過去からの一連の流れ、トレンドとしてチェックするというコツがある。

あるサイトの今日獲得できたCV数が100件だったとして、その100件が良いのか悪いのかは、前述のとおりその日のデータだけでは判断できない。そこで過去のデータと比較することにより判断する訳であるが、ここでのポイントは点VS点や、線VS線といった形で対比して比較するのではなく、大きな流れとしてデータの推移を掴むということだ。(局所データで判断しないところは同じだが、対比しないところがポイント②と異なる。)

過去1ヶ月で見ると、1日辺りの平均のサイト訪問者数が1000人だったとする。その上で昨日のサイト訪問者数が1200人だったとすれば、この絶対値が良いか悪いか判断できる。さらに移動平均線を持ち出せば、トレンドとして右肩上がりで訪問者数が増えているのか、流れとしては右肩下がりなのかもしくは横ばいなのかといった具合に、傾向を把握することができる。

余談だが私の体重は約65Kgである。

仮に1ヶ月前には70Kgの体重だったとしよう。1か月前にダイエットをはじめ順調に推移し、今日になって65Kgにまで体重が減ってきたとする。この70Kg→65Kgという流れの中での『今日の65Kg』という数字は良いと判断できないだろうか。

一方で、1ヶ月前には60Kgしか体重がなかったとしたらどうか。年始の飲み会が続いて今日になって65Kgになってしまった流れでの65Kg。『いまの体重は65Kgである』という同じ事実でも全く意味合いが異なってくる。

このように、あるデータを点ではなくて線でチェックし、傾向を掴むことは大切だ。日々のデータを、単純に良い悪いで判断するのではなく、方向として、良い方向に向かっているのか悪い方向に向かっているのか、それとも横ばいなのかといった具合にトレンドを感じよう。

そして、順調に推移していた右肩あがりのトレンドが横這いになった、このような潮の変わり目に何が起こったのかを把握できれば、施策につなげることができる。

潮流の変わり目に何があったのか、自社要因であるホームページのリニューアルや、ウェブ広告の取りやめなど、何か思い当たる節はないだろうか。もしも思い当たる節がなければ、外部要因であるライバルの出現やSEOでの検索順位の低下、法律改正、メディア掲載などが理由かもしれない。

このように、データの流れである傾向に、潮流変化のきっかけと推定される内部・外部状況を掛け合わせて考えると、面白い施策を練りだすことができることがある。

この記事のまとめ

ここまでデータ解析をするときの3つの重要な視点をお伝えした。今回お伝えした3つの視点を意識し、課題解決のために必要な、サイト改善のための仮説を作っていただければ幸いだ。

  1. 大きな視点から小さな視点(マクロ→ミクロ)という順番でチェック
  2. 過去のデータと同期間で区切って比較し、課題を発見しよう
  3. データは点でなく線として分析し、方向性を掴むことを意識しよう

 


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